下が乾(天)、上が兌(沢)でできている卦です。
天はどこまでも広がる空、陽の気の象徴
沢は泉や湖、朗らかな川のせせらぎのイメージです。
全体の陰陽を見ると、陰が1つ、陽が5つで陰が陽に追い立てられ消えそうになっています。
全てが陽になることをゴールだとすると、いよいよ最後の仕上げです。
最後の最後には難しい問題が残されているものです。油断せず、最後まで自分のやっていることの意味を問いながらの前進を求められます。
また、湖にあふれそうなほど水が溜まっている形とみて、決壊が目に見えている状態であるとします。
さらに、追い詰められた一人ぼっちの陰の立場を表すと見る場合もあります。
いずれも油断大敵のメッセージです。
沢天夬は穀雨の卦
夬は、十二消息卦(じゅうにしょうそくか)という、季節を表す12の卦のうちの「三月」に配置されています。
旧暦の三月ですので、太陽暦でいう4月の半ば、穀雨(4/20)からの約一ヶ月を指します。
字のとおり「穀物」を育てる「雨」が降り始めるときです。
日差しの暖かさもさらに強まり、穀物は蒔かれて成長をはじめます。
我が強くカジュアルな人物像
上にある沢の卦が「外に見せる自分」、下にある天の卦が「心の中の自分」として考えたとき、
人に対しては(沢)子供のように天真爛漫な姿で
心の内側は(天)積極的な力で満たされている。
自分の中に満たされている力を、子供のように表現するので
ビジネスや大人の付き合いにおいては、ワガママに思われたり、
わきまえない自己中心的な人だと思われがちです。
個性が尊ばれる場所や、自己主張を必要とする場面では輝ける可能性があります。
人間関係でこの卦が出た場合は、自分の意見ばかり主張して、相手をやっつけるような形になっていないか気をつけましょう。
自分が合っていると言い切らないことが突破口に
この卦が出た方は、思い通りに進んでいると感じるときこそ、見えない所につまづきの素がないか、慎重に見渡すことが大切です。
無意識のうちに、自分は合っている。間違っているのは周りだと感じられる時期です。その感覚を疑うことで新しい視点に開かれていきます。
仕事や目標があと少しで達成されそうなとき。
あと少しで終わると思うと、ともかくゴールまで行くことに気を取られて、クオリティがおろそかになりがちです。
穴を残しておくと後から戻ってやり直すことになるでしょう。
やると決めたなら、徹底的にしらみつぶしにやることで成功を得られます。
人間関係では、立ち止まって考えることも必要です。
自分のことばかり主張していないか、または反対に我慢しすぎていないか振り返ってみましょう。
このままの調子でいくと、我慢しきれなくなって感情が爆発するかもしれません。
上手く行っていると感じているならば、相手の話を真摯に聞く時間を取ってみましょう。思わぬ悩みを打ち明けられても、一旦は受け入れようとすることで道が開けます。
我慢がしんどくなってきた方は、なるべく早く相手に気持ちを伝えることで、両方が自然体になるきっかけを作れるでしょう。
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