下の卦が巽(風)上の卦が乾(天)でできている卦です。
風はどこにでも柔軟に入り込む風、または木や種の象徴。
天はどこまでも広がる空、陽の気の象徴です。
陰陽の象徴の一つに「男女」があります。
陽が表す男性の集団に、陰が表す女性がひとり入り込んできた「紅一点」の卦として見ることができます。
男ばかりの集団に、ポツンと女性が入ってきた。
そういう女性は「男勝り」と言われたり、複数の男を手玉に取る「サークルクラッシャー」であると言われたりします。
元々そこに居た陽たちにとって、陰は異質な存在です。
今までの平和をかき乱す可能性を秘めていると同時に、
今まで見つけられなかったモノの発見、陽たちだけでは出来なかったことの芽生えをもたらします。
漫画や小説で、転校生や異星人が現れることで物語が始まるように、
異質なものとの出会いは、波乱ばかりではなく新しい可能性にも開かれています。
天風姤は夏至の卦
姤は、十二消息卦(じゅうにしょうそくか)という、季節を表す12の卦のうちの「五月」に配置されています。
旧暦の五月ですので、太陽暦でいう六月の半ば、夏至(6/21ごろ)からの約一ヶ月を指します。
夏至はもっとも昼の時間が長い日です。陰陽で例えると、陽がもっとも強い日と言えるでしょう。
なのに、全部が陽の「乾為天」ではなく、一番下に陰が滑り込んだ「天風姤」が夏至に当てられているのは興味深いところです。
これは個人的な考察になりますが、易では陰が重なると極まって陽に転じ、陽が重なると極まって陰に転じるという考え方があります。最高に良い状態の卦には、「これから下降することを念頭に置くように」という占い結果がでます。
このことから、もっとも陽が高まっているときには、すでに陰が潜んでいるのだ。そういう意味を持って、一番太陽が高くなる夏至に、5つの陽に1つの陰が滑り込む「天風姤」を当てたのではないでしょうか。
リーダーシップがあり柔軟な思考の人物
下にある卦が「心の中の自分」、上にある卦が「外に見せる自分」として考えたとき、
心は臨機応変で、社会的には堂々とリーダーシップをとる人物と読むことができるでしょう。
「天」の表すカリスマ性、積極性が「風」に乗って四方へと伝わります。
力強い様子のなかに優しい気持ち、自分とは違う考えも考慮に入れようとする柔軟性が見えて、良い評判が広がりやすい人です。
この性格がネガティブに表れると、内面が右往左往と迷ってばかりのため、それを悟られまいと他人に対して高圧的な態度を取る人物となります。こちらも風に乗って悪い評判は瞬く間に広がるでしょう。
人間関係でこの卦が出た場合は、柔軟な心を他者への理解に活用しましょう。
常に明るく大きな声と輝く笑顔を忘れないことです。謙虚さを忘れず、知らないことを知らないと言い、新しい出会いから吸収する姿勢を持つと吉。
思いがけないできごとを楽しむ余裕と警戒心のバランスが大切
この卦が出た方は、思いがけない出来事があるかもしれません。
ペースを乱されたり、自分のやり方が通用しなくなったりしてストレスを感じそうです。
しかしそれが、より良いやり方、自分では気付けなかった可能性への糸口ともなるでしょう。
また、新参者、テリトリーの外からひょっこりやってきた人から魅力的な誘いを受ける可能性もあります。
それは、あなたのバランスをかき乱し、陰の世界へと引っ張り込もうとする有害な人物かもしれません。ウマすぎる話、強力な魅力と出合ったら立ち止まる力も必要です。
複数の相手を手玉に取る恋愛のような、関わってもしょうがないことは、そうだと分かった時点で距離を取るのがスマートな解決方法です。
想定外の出来事を許容する懐の深さ、ウマい話への違和感、その両方に立ってものごとを見る力が開運のポイントです。
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