下も上もともに乾(天)でできている卦です。
天はどこまでも広がる空、陽の気の象徴
それが二重に重なっています。この卦自体が天を表します。
全体の陰陽を見ると、すべてが陽です。
易の64卦には順番があるのですが、この卦は天を表すことで一番最初の卦とされています。
全てが正しく、順調で、その状態が一定期間続くようすを表します。
積極的で正しいことが前提なので、行いが正しくないと、このスムーズな状態は訪れないとも読めるでしょう。
乾為天は小満の卦
天は、十二消息卦(じゅうにしょうそくか)という、季節を表す12の卦のうちの「四月」に配置されています。
旧暦の四月ですので、太陽暦でいう五月の半ば、小満(5/21ごろ)からの約一ヶ月を指します。
青葉が茂り、生き物が賑やかに活動し、自然がイキイキと満ちてくる季節です。
衣替えの時期でもあり、夏を感じる日が多くなります。
突進するカリスマのような人物像
上にある卦が「外に見せる自分」、下にある卦が「心の中の自分」として考えたとき、
心の内外がともに(天)積極的な力で満たされている。と読めるでしょう。
自分の中にあふれている強いエネルギーは
自然と物事や人を動かし、自分を高めていきます。
創造的になり、結果を出すために高みを目指します。
一方で、特定の目標にまっしぐらなため、周りの人間に対する配慮は薄いかもしれません。
人間関係でこの卦が出た場合は、周りのことを考えるよりも、自己実現に絞って行動を起こすのが良いとき。他の人との交流は別の時期まで保留が良いでしょう。
最高の時はいつか終わると思うことが大切
この卦が出た方は、しばらく自分のやりたいこと、正しいと思うことを思いっきり実行できるでしょう。
すべてが陽の気で満ち、エネルギッシュで、阻むものがありません。
内なるエネルギーに突き動かされるようにめまぐるしく物事が進むかもしれません。
この卦が出ても、なかなか物事が上手く進まないときは、前提を見直してみましょう。
今の状況に対して相応しい目標や行動が取れたとき、障害はなくなります。
一方で、この状態は常に続くものでないことも考えておく必要があるでしょう。
創造的でエネルギッシュな今だからこそ、万が一の備えにもフットワーク軽く対応できます。